システムを利用する目的は生産性アップ
そもそも「なぜ、業務システムを導入したほうが良いのか?」
一言で言えば、「生産性の向上」です。
生産性とは、
成果:
・売上
・契約数など
コスト:
・費用(人件費)
・時間(個人事業主、役員など人件費に現れない時間コスト)
・身体/精神的コスト(単純作業に脳のリソースを使う。思ったように進捗しないイライラなど。。。)
です。
生産性を上げる方法は?
当たり前ですが、成果を増やすか、コストを減らすかのどちらかを行えば、生産性は上がります。
業務システムは「業務の効率化」によって作業時間を短くして、コスト削減を行うので「業務を効率化して生産性を上げる」という事になります。
もし、あなたの会社のスタッフ、またはあなた自身が「本当は別の作業に時間を割きたい。本当にやるべき仕事は、今やっているこういう作業ではない。」という部分があれば、業務効率化の候補となります。
(「別のスタッフに作業を振る」という方法もありますが、説明、引継ぎ、チェック、非効率な操作、など、別の無駄な作業が発生する可能性が高くなりますので、別のスタッフに作業を振っていく場合でも、まずは仕組み化、効率化してから別のスタッフに振ったほうが絶対に効率的です。今の非効率な作業のまま別のスタッフに振っても、あなたの会社から非効率な作業が無くなったわけではない、という事になります。)
どの作業の効率化を優先的に行うか?
一度に全業務の効率化を行うのは難しいので、どの作業の効率化を行うのか?を検討する必要があります。
- 作業回数
- 1回の時間量
- 誰がやっているか?
- 変動費かどうか
例えば、
業務A:1年に1回8時間かかる作業を30分で出来るようにする。
→ 年間:7.5時間削減
業務B:毎日に1回10分かかる作業を3分でできるようにする。
→ 7分 x 240日 = 約28時間削減
業務Bのほうが、削減時間のほうが多いのは明らかですね。
さらに、管理職など重要性の高い社員の業務を効率化できれば、単純に作業時間数の削減の効果だけではなく、その社員にしかできない「営業やサービスの品質アップ、教育など、成果につながる業務に時間が使える」、さらに「別の業務の効率化を考える事に時間が使える」という相乗効果が生まれます。
ただ、まだ業務の流れが決まっていないような事業や新たな取り組みの場合は、ある程度はメール、エクセルやGoogleスプレッドで共有/管理して、業務の流れ、必要な管理項目が固まってから、システム導入を検討したほうが良い場合もあります。
- ここは人の判断が必要。
- ここは、ルールがシンプルな単純作業なので自動化できる
などの見極めが必要となります。
※これからの時代は特に「小回りを効かせて事業を調整・最適化させる」という部分が重要です。
「システムに言いなりの全自動化」ではなく、1社1社の業務にマッチする「単純作業の自動化」+「人が判断しやすい情報の提示」+「人の判断」という「半自動化」がお客様の会社の特色を活かせて、永続的に活用いただけるシステムだと考えています。
もう1つ、その作業が変動費(成果に比例する作業)にあたる作業かどうか?も効率化する業務かどうかの判断要素となります。
もし、その作業が「成果に比例する作業」の場合は利益率に直結します。
例えば、10,000円の売上を上げる作業の為に、5,000円分の時間、人件費を使っている場合、この人件費コストを3,000円に出来たら、利益が5,000円から7,000円へと2,000円アップ、利益率としては20%アップとなります。
(商品の販売で置き換えると、「50円で仕入れて100円で売る = 粗利50円・粗利率50%」を「30円で仕入れて100円で売る=粗利70円・粗利率70%」で「粗利率20%アップ」という事になります。)
変動費にあたる作業を仕組化・効率化するという事は「今後、事業を拡大していき、作業が増えても対応していける。利益率を維持できる」という事の構築です。
「あなたの会社、事業を1段階、上のステージに上げる準備」という事につながります。
もう1つのシステム導入のメリット
システムの導入には、生産性の向上以外にも、もう1つ大事なメリットがあります。
それは「情報を蓄積して分析に利用する」という事です。
日々の業務がきちんと統一されたフォーマットでデータベースとして蓄積される事により、データ分析が可能になります。
日々の業務データはあなたの会社の資産です。
「この部門、この取引先の利益はどのくらいだろう?」「うちの会社の売上の構成比は?」というような事を知りたい時にすぐに確認でき、現状の把握や思ったように事業が進んでいるのか?事業の方向性の見直しは不要か?などの事業判断の客観的な材料と見る事ができます。
(エクセルはデータと入力画面が共通なので、あとから分析にも利用する場合は注意が必要です。「分析に利用できるフォーマット」を前提として入力画面の設計や拡張が必要となります。話は逸れますが、コツとしては「列(横)方向に伸びるような形で情報が蓄積されないようにする。分類わけはきちんと本質的な軸を分けて組合せが発生しないようにする、1シートに2種類の情報を蓄積しない。行間を空けない。同じ情報ならシートを分けない。」が大事です。これを行えば、エクセルのフィルタやピボットで色々な分析が可能となります。)
システム導入の目的・効果のまとめ
まとめますと、
- システムを利用する目的は生産性アップ。
- 業務システムで時間コストを削減して、生産性を上げる。
- 削減した時間は、さらなるコスト削減や、成果を増やす時間に使える。
- コストとは:
・時間・人件費
・精神的ストレス・脳のリソース - 優先的に削減するコスト:
・人の判断が不要な部分を探す。(判断しやすくなる仕組の構築)
・頻度 x 時間数で考える。
・売上に比例するような作業(事業拡大にもつながる) - データの蓄積・分析で、事業の状況を客観的な情報でチェックできる。
となります。
作業の効率化によって生まれた時間を、成果を出す作業や、さらなる効率化に再投資していきましょう!
以上、松本からでした。